伊王野付け祭りとは

伊王野温泉神社の祭礼で、宵祭、本祭、裏祭と3日間行なわれている。

昔は、9月29日が本祭であったが、後に10月29日となり、現在は文化の日に合わせて11月3日が本祭、その前後が宵祭、裏祭、になっている。この祭りの期間中は、お囃子を乗せた屋台を町中引き回し祭り気分を盛上げている。

祭がいつ頃から始まったのかは不明であるが、祭りばやしの内容や形が江戸時代の物と似ており、伊王野の地が天領(幕府の直接支配地)であった頃に始められたのではないかと考えられている。

屋台は、上町、下町にそれぞれあるが、それほど古いものではない。
この屋台については、言い伝えがいくつかあり、その一つは、大正4年に大正天皇御即位記念により宇都宮より買い受けた。その後、大正9年に電灯が伊王野にも入り、電線が張られ山車の運行(渡御)が出来なくなり、大正14年伊王野温泉神社の拝殿改築還宮記念祭に際し、山車も屋台に改築した下町の屋台の彫刻は、埼玉県埼玉村の内山良雲の作にて増設し、今日に及んでいる。

六十有余年が経ち組み立て式のため傷みがひどく渡御運行に危険を感じるようになり、昭和59年に、町制施行30周年の記念事業として屋台修復及び収納庫建設され、その際に、彫刻、車輪は補修し、それ以外は新しい物とした。棟梁は、上町の宮大工白井工務店が行う。

その後、今年で30年の歳月が経過し、艶が無くなって来ており、下町の屋台の全塗装を実施した。 町制施行30周年事業として、平成26年7月に補修を行った。

囃子連は、大太鼓、小太鼓(たま、付け)笛、大つつみ、小つつみ、摺り鉦等、最少7人の囃子連が乗り、町を練り歩く。上町の屋台と下町の屋台がすれ違うときは、お互いが競い合う「出合い」と云い、祭りばやしが最高潮に達する。2日間で4回の出会いを行なう。 祭りはやしの曲目は、旧四丁目・新四丁目・馬鹿ばやし・江戸馬鹿ばやし・かぞえ唄・花ばやし・花車・矢車・上神田・中神田・十二神楽等、十一曲が伝承されている。

いずれの曲も高度な技術が要求され、年間を通じて練習を行い、子供達に技術の習得、伝承に励んでいる。

現在は、祭り全体を、上町はやし保存会と下町祭典保存委員会が行い、はやしの保存は、はやし保存会が行っている。

 

明治44年祭
大正14年祭

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